デザインやフォルムはどんなところからアイデアが生まれるのでしょうか?
ヴァネッサ「いいな」と直感的に感じたものは、ガラスで作ってみたいといつも思うの。ハンドバッグでも、魚でも、自然の風景でも。DEAN FLOWERSに関していえば、花を生けることが前提なので、実用性に重きをおいて“シンプル”であることを心がけています。“シンプル”であることを追究していくと、古代の陶器や1950年代の花器などに行き着いて、ヒントをもらうこともありますね。」
そして、“シンプル”と“色”が合うかどうかを大事にしています。だから、DEAN FLOWERSのフラワーベースは、シンプルだけどひと目でDEAN FLOWERSだとわかるのではないでしょうか。DEAN FLOWERSのフラワーベースは、花の生けやすさを考慮してシンプルに作っているにもかかわらず、ユーザーのもとへたどり着くと、同じものでもクラシックな雰囲気に見えることもあれば、モダンな表情を見せることもある。それが“シンプル”ゆえのおもしろさだと思っています。
ジム「世界中にいるさまざまな人たちが、それぞれのスタイルでHenry Deanのフラワーベースを使ってくれている。そしてそこに素敵な花が生けられている。そんなシーンを見るのが幸せだし、誇らしい瞬間ですね。北イタリア、ヴェネチアの小さな島、“ムラーノ島” で作られるムラーノガラスは、透明度の高いガラスと鮮やかな発色がブランドを形づくっていますよね。Henry Deanも同様に、原料のリサイクルガラスにフィットしたエネルギーに満ち溢れる色と力強さをもつプロダクトを生み出したいといつも思っています。」
ガラスへの愛情がつなぐものづくりの文化
創始者であるヘンリー・ディーンのクリエイティブやガラスに対する思いを、どのように受け継いでいらっしゃいますか?
ジム 僕がこの仕事を継いで30年、ヴァネッサがブランドのクリエイティブを担うようになってから20年が経ちました。クリエイティブに関しては、ヘンリー・ディーンのポリシーは当然受け継いでいるものの、近年はヴァネッサのスタイルが確立しつつあるのではないかと感じているところです。ガラスへの思いに関していえば、経営が厳しく、生き残る術をもたないガラス工場を、Henry Deanがもつ知識や技術、経験で立て直すことが、僕たちの使命だと思っています。僕がガラスの世界に魅了されたのは、Henry Deanのフラワーベースを生産していたセビリアのガラス工場で働いた学生時代。朝5時に工場に行き、職人にガラスの作り方を教わり、休憩時間に向かいのカフェで一緒にお茶を飲んだり。長い時間をともに過ごして、彼らのガラスへの思いと生き方に恋に落ちた。それが今でも続いているんだ。
新しい挑戦を嫌がる職人も多いけれど、こまめに工場に足を運んで、僕らがもつノウハウを伝えつつ、ひとつのものを一緒に作り上げています。当初は8つ程度のはずが、現在では18つもの工場がHenry Deanのものづくりを支えてくれている。製作現場が多いほど問題は発生するし、相談も増えるから、寝る暇がないけどね(笑)。
TISTOUは日本でHenry Deanを展開して25年になります。日本の市場に独自の手法でHenry Deanの魅力を伝えるTISTOUのクリエイティブに、どのような印象をおもちでしょうか?
ジム 「ファンタスティック! TISTOUはHenry Deanにたくさんのエネルギーを使って、独自の方法で表現してくれていますね。僕たちがどんな意思をもってHenry Deanを続けているかを、TISTOUは理解してくれていると感じます。 歴史も文化も違う国で、私たちとはまったく異なる表現なのにもかかわらず、思いがしっかりと伝わっていることに、いつも感動しているよ。Henry Deanのものづくりへのリスペクトも感じられますね。」
ヴァネッサ「TISTOUがHenry Deanを日本に紹介してくれることを誇りに思うわ。思慮深く、丁寧に、一生懸命に向き合ってくれていることが本当にうれしい。私たちはプロダクトだけでなく、そのうしろや周りにいる“人”が何よりも大切なの。Henry Deanのスタッフや職人、TISTOUをはじめとする輸入代理店や日本全国の販売店の皆さん、そしてHenry Deanを使っていただいているお客さまにいつも感謝しています。」

